十七回忌の挨拶はどのようにする?家族だけで行うメリットと香典についても解説
十七回忌(17回忌)とは、故人が亡くなってから16年目に行う仏式の法要で、十三回忌(13回忌)の次に行う法要です。数え年で行うため、17年目ではなく16年目になります。時代の変化とともに、家族だけや親しい親戚のみで行う場合や、法会を行わない(僧侶を呼ばない)場合も増えてきています。
日程については、満16年の命日を過ぎない日程で日取りを決めて、十七回忌(17回忌)の法要を執り行います。家族が集まりやすい土日にすることが多いです。
十七回忌の挨拶について
法要の要所では、施主が参列者に対して挨拶を行います。まずは、開式の挨拶の例文をご紹介します。
(例文)
「本日はお忙しい中、故人〇〇のためにお集まりいただき誠にありがとうございます。これより亡き○○の十七回忌の法要を行いたいと思います。それではご住職、よろしくお願いいたします。」
このように法要を開始し、僧侶の読経ののち、焼香をあげ、僧侶の法話を聞いて閉会します。その後、会食がある場合の閉式の挨拶は以下のように行います。
(例文)
「本日はお忙しい中、亡き○○の十七回忌にお集まりいただきありがとうございました。
お陰様で、無事17回忌の法要を終えることができ、改めてお礼申し上げます。
なお、ささやかなではございますが、会食の席をご用意させていただきました。亡き○○の思い出話などをお聞かせいただきながら、時間の許す限りゆっくりとお過ごしいただければと思います。」
なお、会食がない場合の閉式の挨拶は以下のようにします。
(例文)
「本日はお忙しい中、亡き○○の17回忌にお集まりいただきありがとうございました。
お陰様で、無事17回忌法要を終えることができました。私たちの姿を見て、○○も安心したことと思います。
本来ならば、皆様と粗宴を囲んでお話をさせていただきたいところでございますが、遠方からお越しの方もいらっしゃいますので、本日はこれにてお開きとさせていただきます。
また、心ばかりの品を用意させていただきましたので、お荷物になるかと存じますが、どうかお帰りのさいに、お持ち帰りください。本日は誠にありがとうございました。」
会食時には、献杯の挨拶を行います。法事後の会食(お斎)での挨拶は「乾杯」とは言わず「献杯」と言うのがマナーです。献杯の挨拶は、故人と親しかった方にお願いしておいてもよいでしょう。
(例文)
「故人の友人、〇〇でございます。本日は、大変お忙しい中お付き合いいただき、誠にありがとうございます。無事○○の17回忌の法要を終えることができ、○○も安心していることと思います。この席では、皆様と○○の思い出話を語りながら、冥福を祈りたく思います。それでは、献杯をいたします。グラスをお持ちください。献杯。」
ご挨拶が終わった後は、施主が皆様に食事をお召し上がりになるよう促します。
「ありがとうございました。それではどうぞお食事をお召し上がりください。」
献杯をしたあと、盃のお酒は飲み干さなくてもよく、飲み終わっても拍手はしてはいけないので、覚えておきましょう。
最後に、会食終了後のお開きの挨拶は施主がします。挨拶のポイントとしては、「法要はこれで終了」という意味を含んでいることです。以下がお開きの挨拶の例文となります。
(例文)
「そろそろお時間となりましたので、お開きとさせていただきます。○○が亡くなり、私たちは寂しくなりましたが、これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お忙しい中、誠にありがとうございました。」
なお、僧侶にもご挨拶を行い、お布施をお渡ししましょう。僧侶が会食に参加しない場合は、法要終了後にお渡しします。以下が、僧侶への挨拶の例文となります。
(例文)
「本日は大変ごていねいなお勤めを賜り、誠にありがとうございました。お陰様で無事、十七回忌法要を終えることができました。心ばかりではございますが、どうぞこちらをお納めください。」
僧侶にお布施をお渡しする場合は、直接封筒を手で持たず、切手盆に乗せてお渡しするのがマナーです。
十七回忌を家族だけでおこなうメリット
七回忌、十三回忌以降の年忌法要は身内だけで行なう場合も多くなっています。十七回忌では遺族も高齢になっている場合があり、大規模な法要を行うのは負担にもなり得ます。その場合には、無理に親族や友人を招いた法要を行わず、家庭や近くの料亭などで食事会を開く、簡易的な法要としても問題はないでしょう。
不安であれば、事前に親族に相談し、法要の縮小について話し合ってみるとよいですね。また、法要が終わった際には、手紙などで報告をするとていねいです。 家族のみの法要では、会食代が最低限で済み、僧侶を呼ばないものであれば、お布施などの負担もありません。家庭の状況によっては、家族のみで故人を偲ぶほうがよいと感じることも多いかもしれませんね。
十七回忌法要での服装
17回忌には略礼服を着用する
葬儀や法事に参列する服装は本来、正喪服・準喪服・略礼服がありますが、3回忌以降では、一般的に略礼服でよいと考えられています。十七回忌では略礼服を着用するのが良いでしょう。しかし、地域や家系によってしきたりや決まり事が厳格な場合があります。できれば事前に確認をしておき、親族の中で浮かないように注意しましょう。
三回忌以降では「平服でお越しください」と言われることも多いですが、決して「普段着」という意味ではありません。ここでいう平服は決まりがあり、略礼服のことを指し、Tシャツやジーンズなどでは大変失礼です。
略礼服といわれた場合には、男性であればダークスーツ、女性であれ紺色や濃いグレーの地味目なワンピースかアンサンブルなどが無難です。「喪服」は真っ黒なのに対し、「略式服」は地味な色であればよいと覚えておきましょう。
十七回忌の香典の金額相場と、香典返しについて
十七回忌の香典は、故人が実父や実母にあたる場合1万円~3万円が相場です。自身の年齢や、法要の後に会食の場があるのかなどといった条件によって、金額に幅があります。ご香典の金額が3万円以上の場合は、銀色の水引きが付いた香典袋を使うのがおすすめです。
自身が故人の孫である場合、20代の場合は1万円、40代もしくは50代以降の場合は3万円程度が相場です。
親しい友人の場合、1万円程度がよいでしょう。とても親しい友人であったとしても、親族と同程度の香典を包む必要はありません。
法要に人を招いた場合は、いただいたお供え、香典へのお返しである引き出物を用意します。金額は2,000~5,000円程度が一般的で、実用的なものや食品などがよいとされます。ただし、参列者が遠方の場合には、かさばったり荷物になったりするものは避けた方がよいでしょう。三回忌の引き出物には、黄白結び切りの水引の「のし」。表書きは「志」または「粗供養(そくよう)」としましょう。
十七回忌のまとめ
十七回忌は故人を偲ぶ最後の法事とされています。ただ、この法事が終わっても、ことあるごとに大切な故人を思い出す機会は持ちたいものです。家族で故人との思い出を語らい、家族のきずなも深まる場となるとよいですね。
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